はじめに他の虫に比べて、家庭内にゴキブリが棲みついているということだけで疑いもなく多くの ストレスが生じます。 これは、多くの人は住居に害虫がいることを好まないという事実に 基づいています。 ゴキブリは汚れた、整理・整頓のされていない場所に棲んでいるという一般的な認識があるので、 マイナスの概念が作用しているのです。多くの人は、ゴキブリとの共生を認めることを恥ずかしく思います。
ゴキブリは、あらゆる民族のあらゆる階層の人々の住居に棲んでいます。 いいかげんな掃除をしたため必然的にゴキブリが繁殖するということでもなく、 掃除を徹底すればゴキブリがいなくなるということでもありません。 ゴキブリは、しばしば人の活動によって繁殖していない住居に持ちこまれるので、 新築の住居を清潔に保っておくというのも余り重要なことではありません。
ただし、清潔な家にはゴキブリの食べ物が少ないため、散らかっている汚れた家よりは多くの ゴキブリが棲みつくことはないことは事実のようです。 湿度、隠れ処(隙間や亀裂)のような要因もゴキブリの繁殖レベルを左右する上で重要となります。 ゴキブリの繁殖を抑える上でこれらの要因をどのように変えるかについては 第5章を参照してください。
世界中に 3,500 種類以上のゴキブリが棲息しています。そのうちわずか4種類程度がネブラスカ州の住居に棲みつ いています。 チャバネゴキブリ、チャモンゴキブリ、トウヨウゴキブリ、ワモンゴキブリは世界中を渡り 歩いており、世界のどこでも人と共生しています。
ゴキブリがサルモネラ食中毒と関連づけられていることをご存知ですか? ゴキブリは、スタヒロコッカス、ストレプトコッカス、大腸菌およびその他の細菌性病原体を持っています。
ゴキブリがこれらの病原体を宿し、伝播する主な理由は、かれらが我々と一緒に生活し、 キッチンやごみ箱の食物などすべてのものを雑食するからです。汚染された食物を食べると、 病原性細菌はゴキブリの消化器系に1ヶ月以上存在することができます。また、ゴキブリの糞 で食物や什器が汚染されます。 サルモネラ菌は、ゴキブリの糞中で数年間生存できることが立証されています。
ハウス・ダストにアレルギーを示す多くの人は、ゴキブリ アレルギーを示します。ゴキブリが棲んでいる家では、ゴキブリの体片や糞 もハウス・ダストの主な原因となります。若干の人々は、ゴキブリが繁殖している家に住んだりゴキ ブリを飼育している実験室で働くことにより、長期間曝されることでダストに対してアレルギーを示すように なります。 ゴキブリのダストにアレルギーを示すと喘息を誘発することもあります。 継続的にゴキブリに曝された人では、喘息やアレルギーの発生率が高いことが示されています。
個人で家のゴキブリを駆除できるのかどうか、あるいは駆除専門業者に頼むほうがよいのかを 自問してください。特にゴキブリの繁殖が激しい場合、あるいは駆除剤を自分で扱いたくない場合 には、専門業者のサービスは有用となるはずです。 駆除剤を安全に使用するには適切な服装が必要であり、特殊な器具も必要となります。
駆除を自分自身で行う最大の利点は、コストが軽減されることです。 その他の利点として、自宅であるので他人よりも状況をよく分かっていることがあります。 例えば、ゴキブリの隠れ処はどこであるのかをよく知っているはずです。また、駆除の進捗状況を監視した り、駆除効果を評価することもできます。駆除剤による処理はゴキブリ駆除の単なる1つの局面であり、その害虫駆除業者が 駆除に必要な戦術を強調していないかもしれません。
ゴキブリ駆除用として登録されている駆除剤の多くは、一般用の殺虫剤であることをご存知ですか? 一般用の殺虫剤は、特別の訓練なしで使用することができ、一般の人が購入し、使用できるものです。 ただし、駆除剤の多くはプロの害虫駆除業者によって販売されており、スーパーマーケット、 薬局、ディスカウントストアなどで見つけることはできません。 これらの駆除剤は、ときたま「専門業者用」と表示されていますが、法律的には一般の人が購入し、 使用することができます。使用制限のある製品は、法律上専門の業者でなければ購入することはできません。
自分で駆除しようと思えば、どの商品が使用できるか、どこで購入できるか、どのようにして 安全に効率よく使用できるかを知っておく必要があります。 これについてはこの教本の第6章から第9章を参照してください。 しかしながら、第2章から第5章を読み飛ばさないようにしてください。これらの章では、あなたの駆除プログラムを 成功させる実践的なコツを学ぶことができるはずです。
最も有効的なゴキブリ駆除は、ゴキブリの数を減らすためのいくつかの方法を同時に併用することです。 農業害虫駆除業者はこのアプローチを多年に亘って採用しています。この複合的アプローチは、 IPM (Integrated Pest Management) と呼ばれています。
IPM の基本は、
ゴキブリ駆除におけるIPMアプローチには、処理前に害虫の種類が何であるか、繁殖場所はどこであ るかを見つけるため、想定される繁殖場所を監視することが含まれます。 その後、同じ場所を監視し、駆除プログラムが成功したかどうかを確認する必要があります。 ゴキブリの侵入を防ぎ、適切な衛生管理を施し、隙間や亀裂を塞ぎ、毒性の少ないベイト剤を慎重に設置 し、毒性の少ない駆除剤とともに昆虫成長阻止剤を使用することがゴキブリ問題を解決するために 必要となる戦術です。
自分で駆除するか、あるいは害虫駆除業者の助けを借りるかのいずれにしても、この教本では 住居内のゴキブリを抑制する上で必要となる基本的駆除法について述べています。 もしすべての駆除法を用いれば、ゴキブリの数をかなり減らすことが可能となります。またゴキブリの根絶も可能となります。
| Pesticide Education Resources @ University of Nebraska-Lincoln | |