第2章

まず敵を知ることから

害虫駆除の第一歩は、対象となる害虫が何であるかを知ることから始まります。 屋内にいるゴキブリは、それぞれ異なる場所を好むので、最適に駆除するにはまずゴキブリの同定が重要 となります。 典型的なゴキブリのコロニーは、(通常)翅を持つ繁殖可能な成虫と翅を持たない異なる脱皮段階の幼虫 で構成されています。 (例えば蝶のような)他の昆虫とは異なり、ゴキブリは幼虫と成虫が同じ巣の中で生活し、同じ物を食べています。

幼虫は成虫よりも小さく、雌が産み落とす卵鞘から孵化します。 幼虫は、成長によって殻を脱いで脱皮を行い、大きくなって行きます。 各々の幼虫段階で成長が見られ、最後の幼虫段階から成虫が抜け出します。 下図にチャバネコキブリのライフサイクル(卵、幼虫、成虫)を示します。

この図では2つの幼虫段階しか示されていませんが、チャバネゴキブリは少なくとも6つの 幼虫段階を経過します。ゴキブリの種類によって幼虫段階数が異なります。 (第3章参照)。

すべての段階は容易に識別できますが、成虫の特長は大きく、より明瞭であるので成虫 の識別に注意を払ってください。識別は難しくなく、ゴキブリの体の特長で識別してください。 下図にゴキブリの成虫の体の部分を示します。

頭部:ゴキブリの頭部には大きくて全部を飲み込めない食べ物を齧ったり、 切り取ったりするのに用いられる咬器があります。 またゴキブリは一対の複眼を持っていますが、明暗を識別できるだけで視覚は劣っています。 ゴキブリは夜行性であり(夜間活動し、昼間は隠れている)、明かりを避けることに気づくでしょう。 頭部には臭い、空気中の振動を感知する器官である一対の長いよく発達した触角があります。 頭の中には種々の体の機能を調整する小さな脳があります。

胸部: 胸部には3対の脚があります。屋内種の大半の成虫は2対の翅をもっています。 ただし、トウヨウゴキブリの1種は雌雄とも翅が余り発達していません。 ゴキブリは、翅はあるものの飛ぶことはうまくありません。ただし、走行能力には優れています。 ゴキブリは、重力の法則に反して壁や天井に沿って歩くことができます。 胸部の頭の真うしろには大きな円板のような構造があります。 前胸背板とよばれる構造には色模様があり、ゴキブリの種を決定づけるものです。 このためこれは重要な解剖学的特長となります。

腹部: ゴキブリの腹部には生殖器官があります。卵は堅い卵鞘に入っており、乾燥から 守られています。チャバネゴキブリの雌は、卵が孵化する直前まで卵鞘を体に付けていますが、 その他の3種のゴキブリは、しばしば卵鞘を便利な場所に付着したり、単に産み落としたりします。 ゴキブリは子育てをしません。食べ物がない場合には、幼虫をも共食いします。 ゴキブリは、傷ついたり死んだゴキブリも食べます。

腹部の端に感覚器官でもある一対の尾突起があります。触覚と同じ機能を果たす尾突起 は、空気や床からの振動を感じとります。尾突起は、(第二の脳である)腹部神経節を 介して直接にゴキブリの脚に連結しており、重要な生存適応となっています。 ゴキブリが尾突起で感じると、脳が信号を受ける前にすでに脚は動き出しています。 ゴキブリは、走り出すとかなり早く対応しないと踏みつぶすことはできません。

識別のキーポイントを付録Dに示します。このキーポイントを使って、 さらにゴキブリの個体種と比較写真を参照することにより対象となって いるゴキブリの種類を同定することができます。ゴキブリ駆除プログラムを成功させるためには同定が必須となります。

識別クイズ (非常に簡単です!)


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Pesticide Education Resources @ University of Nebraska-Lincoln