問題箇所をつきとめるゴキブリは、今繁殖している場所から新しい場所に容易に移動します。 今いるゴキブリは、家やアパートにもとからいたものか、あるいは今までにいた場所からあなたが一緒に 連れてきたものです。 恐らく、子をもったチャバネゴキブリあるいはチャオビゴキブリ(あるいは卵鞘)を 野菜袋あるいはダンボール箱と一緒に持ち込んできたのかもしれません。 もしあなたがゴキブリの繁殖しているビルで働いており、家に何かを持ち帰るとゴキブリも 同時に持ち込むことになります。オリエンタルゴキブリあるいはワモンゴキブリは、包装袋、洗濯物と 一緒に、あるいはドアーの下、配水管、排気管、換気管から侵入することがあります。
ゴキブリはアパートからアパート、同じアパートの建物内、あるいは重層アパートへ移る習慣が あることが分かっています。 アパートの住人は、ゴキブリがいるのは隣人のせいであると考えています。ある場合には当たっていることもあります。 もし1つのユニットでゴキブリの数が多くなれば、密度が高くなったゴキブリは食料と隠れ処を 求めて近くのユニットに移動しはじめます。 ゴキブリが移動する要因として他のものもあります。 もし隣人が衛生状態を改善したり、殺虫剤を使用することにより繁殖を避けようとすると、 これらの行動によりゴキブリが他のユニットに移動することになります。
ゴキブリは容易に移動するので、もし引越す場合でも次の住居にゴキブリを持ち込まない ようにするのは非常に難しくなります。ネブラスカ州で有効な方法の1つとして(もし引越しのタイミングが合えば)冷凍 する方法があります。所帯道具を暖房していないトラックに氷点下で一夜放置するとゴキブリを殺すこと ができます。 また、ダンボール箱を戸外かガレージで開き、出てきたゴキブリを殺虫剤を吹きかけて殺すことです。 ゴキブリが繁殖していた場所から持ってきたダンボール箱を再利用しないでください。
ゴキブリ問題が発生した場合、最初に行わなければならないのはその状況を評価することです。 害虫駆除で調査と監視が非常に重要な部分となります。 ゴキブリの繁殖場所を注意深くつきとめることにより、駆除はより経済的なものとなり、より有効と なり、時間もかからず、安全なものとなります。まず行うことは、棲息しているゴキブリを夜 見回ることです。突然明かりをつけたり、あるいは懐中電灯で問題のありそうな場所にいるゴキブリ を観察します。
動き回っているゴキブリ以外に何を観察しなければならないでしょうか? 空の卵鞘、抜け殻、死骸、ゴキブリの断片、糞、糞による汚れなどを観察しなければなりません。 観察の目的は、ゴキブリの種類、、繁殖場所、繁殖の程度、繁殖源、生存要因などを特定することです。 さらに、観察により特定の駆除方策を選定する上でのオプションを絞り込む必要があります。
調査を行うには適切な器具が必要となります。家やアパートを調査するには以下の3つの器具をお薦めします。
肉眼による調査: ゴキブリをどのようにして調査するのかの例として家あるいはアパートでチャバネゴキブリを観察 する場合をあげてみます。詳細は若干異なりますが、チャモンゴキブリ、トウヨウゴキブリ、ワモンゴキブリ でも原理は同じです。
観察においてできるだけ迅速に動き回っているゴキブリ、ゴキブリの死骸、体の一部、卵殻あるいは 糞による汚れからゴキブリの種類を特定しなければなりません。
通常、以下の質問に答えることにより観察を始めることが一番よいと思われます。 住居のどこで最初にゴキブリが発見されたか?現在繁殖している場所はどこか? もし同居人がいる場合、同じ質問をしてみてください。 現在繁殖している場所を見つけることが難しければ、後述の粘着トラップ を使用してみてください。 付録 D と ゴキブリ写真を 参考にしてトラップにかかったゴキブリを比較してください。 ゴキブリの種類を特定でき、そのゴキブリの挙動と隠れ処を理解できれば、観察を絞り込むことができます。
PCO業者が過去に行ったあるいは現在行っている作業を検討してください。 もし過去に行った駆除作業で忌避効果の高い殺虫剤を使用していれば、ゴキブリは元の場所から 移動しているかもしれません。 この場合、殺虫剤を使用していない天井パネルのような頭より高い場所を探すのに時間をかけなければなりません。
詳細な調査を行う前に、その外部および内部の全般的な観察が必要です。 人の移動パターンを描いてみてください。 特に、食料はどこへ持ち込まれるか?食料はどこで調理されるのか? 食料はどこで食べられるか?残り物やゴミはどのようにして処分されるか? ごみ箱は定期的に空にされるか?などを調査してください。 恐らく、ゴキブリは食料を求めてキッチンに入り、パントリーに棲みつくでしょう。 食料の保管場所、例えばダンボール箱なども検討してください。これらのものが問題を大きくしていませんか? もし食料の導入が確認されれば、ゴキブリがどこから侵入してきたか同定してください。
ゴキブリは繁殖している建物内で働いている人により住居にもたらされたのか? あるいはアパートあるいは寄宿舎と家を頻繁に移動する学生がいないか? これらが、ゴキブリが繁殖している建物から容易に住居に持ち込まれる例となります。
アパートにおいてはゴキブリは外部あるいは隣接ユニットからまず入ります。 シンクの下の配水管や排水管、下水管、蒸気供給管、給電配管、あるいはゴキブリが繁殖している場所に繋がる壁の隙 のようなゴキブリが侵入できる場所をチェックしなければなりません。
再繁殖を防ぐため、長期的な観点からゴキブリがどこから来たかを特定することは 重要です。 調査で必要なことは、家庭内に入ったゴキブリが生息し、増殖する 要因に注目することです。 ゴキブリは食料を必要とするので、新鮮なフルーツ、野菜、ペットフードの ような露出された食物に注意してください。 また、カウンター台、レンジ、冷蔵庫の下にこぼれた食物あるいは食材にも注意してください。 モップ、ほうき、床ドレインのリム内部、カートの車輪、およびその他の場所も 見てください。 ねずみ駆除用のベイトステーションなどの食物源もゴキブリの活動のチェックポイントとしてください。
ゴキブリは食物のほかに水も必要とするので、水の供給源となる水漏れ箇所や水の凝縮場所も チェックする必要があります。プランター、ペットの飲水器、水槽のような余り考えの ゆかない水の供給源も忘れないでください。
ゴキブリは、食料や水に加えて休息したり、繁殖するために昼間隠れる場所あるいは 住み処を必要とします。 調査中にこれらの隠れ処も特定しなければなりません。 もう一度言いますが、効果を上げるには対象となる害虫の知識を活用してください。 チャバネゴキブリは水の近くの暗い隙間を好みます。 かれらは木材表面を特に好みます。かれらはそのような表面を登るのが得意で あり、木材はかれらの集合フェロモンを保持するのに最適と考えられます。 保管棚、木製のテーブル、キャビネットのような木製の家具に特に注意を払ってください。 機器類の中にある空間のみならず、機器類の裏や下、床面あるいは天井面にある部屋の隅、額縁の裏、 カートの脚あるいは車輪回りをチェックしてください。 吊り天井も点検しなければなりません。
時折、ゴキブリはクモの巣、電灯、飲み残した飲料水のびんに囚われていることが あります。問題を特定する場合、あらゆる手がかりを検討する必要があります。
一般的なルールとしてアクセスするのが難しければ難しい隠れ処ほど、 繁殖が多いということになります。
トラップの設置: さて、ゴキブリの繁殖の大きさと場所について頭に描くことができるようになるためトラップをを設置することになり ました。 多くの形のトラップが使用できますが、ディスカウントストアで購入でき、使用も 簡単な粘着トラップを使用することをお薦めします。 粘着トラップは、餌のついていないものおよび餌のついているものの両方とも入手できます。 餌のついていないトラップでもゴキブリは捕獲できますが、餌つきトラップは効果が さらによいように思われます。 バナナエキスは、ゴキブリを誘引しやすい物質です。 単に粘着表面の中心に餌をおくだけで十分です。
各々のトラップを設置する前にトラップにラベルを貼り、後でどこに、いつ設置したトラップであるか 分かるようにしてください。 キャビネットの中および床の上では、トラップは隅ではなく壁あるいはキャビネットに近づけて、空間の中心 に置かなければなりません。 このように置くのは、ゴキブリが壁あるいはキャビネットの端を通路として利用する習慣を利用したものです。 このように通路に設置することにより、ゴキブリが食料を求めて動くとトラップによりよく遭遇することになります。
必要とするトラップの数は、繁殖の程度により異なります。 もし家の多くの場所でゴキブリを見かけたら、繁殖がキッチンや浴室に限られている場合よりも 多くのトラップが必要となります。 繁殖場所から1.5 - 1.8 メートル以内にトラップを設置するとゴキブリがよく捕獲でき、トラップが繁殖 場所に近ければ近いほどより多くのゴキブリを捕獲することができることに留意してください。 トラップを設置する場合、床から天井のすべて可能な場所を考慮してください。 もし1週間程度でトラップに捕獲されなければ、位置を変えて設置してください。 必ずしも繁殖している場所から 1.5 - 1.8 メートル以内に設置されていなかったのかもしれません。ゴキブリを見かけた場所に トラップを設置してください。
繁殖場所にトラップを設置することに加えて、繁殖が予想される場所 (通常キッチンや浴室)にもトラップを設置しなければなりません。 まず少なくとも1個のトラップを以下の場所に設置します。
トラップの放置時間は繁殖レベルにより異なります。 繁殖が非常に多い場合、正しい位置にあるトラップは一夜で部分的もしくは完全に一杯になります。 繁殖が少ない場合、かなりの数のゴキブリを捕獲するのに数日から1週間以上かかります。 粘着トラップが粘着表面を覆うほど多くのゴキブリを捕獲すれば、トラップはもはや 有効でないので取り除き、交換する必要があります。 トラップでかなりの捕獲をすれば、トラップ設置日と回収日をこの章の終わりにある ワークシートの例と同じようなシートに記録します。 次に各々のトラップをチェックし、捕獲したゴキブリの種類を記録し、各々のトラップに 捕獲されたゴキブリの数を記録します。 各々のトラップの数を加えて総数を出します。 総数をトラップの数で割ります。 この数をトラップを使用した夜の数で割ります。 得られた数は、トラップ、一夜あたりのゴキブリの平均捕獲数となります。 この数は、ゴキブリの数を粗く推定する目安となります。 この計算値が何を意味しているかは表1を参照してください。 これらの数は相対的なものです。ある人にとっては、チャバネゴキブリの捕獲数が 1トラップ、一夜あたり2匹ないしは3匹であっても大きな数であるといえます。一方、 1トラップ、一夜あたり10ー20匹であっても繁殖の程度は低いと考える人もいます。
| 種類 | チャバネゴキブリ | チャモンゴキブリ | トウヨウゴキブリ | ワモンゴキブリ |
|---|---|---|---|---|
| 繁殖が少ない | 0 - 5 | 0 - 3 | 0 - 1 | 0 - 1 |
| 繁殖が中程度 | 5 - 20 | 3 - 10 | 1 - 10 | 1 - 10 |
| 繁殖が多い | 20 - 100 | 10 - 50 | 10 - 25 | 10 - 25 |
| 非常に繁殖が多い | 100+ | 50+ | 25+ | 25+ |
この粘着トラップによる情報は何を意味するのでしょうか?もしゴキブリを捕獲できれば、 ゴキブリの種類を特定することができます。 次に、トラップによる捕獲で繁殖場所が分かります。さらに、繁殖の度合いが高いか、 低いかを決定することもできます。
継続したモニタリング: 駆除プログラムを開始した後、トラップを使って繁殖をモニターすることができます。 経時的に結果を比較するため、全く同じ場所にトラップを設置することが非常に重要となります。 一夜におけるトラップごとの総数を決定する場合、日数を調整しなければなりません。 これにより駆除対策の前と後のゴキブリの数を比較することができ、駆除が成功したかどうかを 評価することができます。
次の図ではこの章の終わりにあるワークシートに記入したトラップの位置をキッチンの図面上に 示しました。 ゴキブリの繁殖を完全に理解するために、われわれはこのキッチンに前述の必要最小限以外の 場所にもトラップを設置しました。 必要以上のトラップを設置しても問題はありません。 付加的なトラップは、繁殖に関してより多くの情報を与えることができ、駆除に役立つはずです。

仮想的なゴキブリ繁殖に対するトラップ設置図 (J. Kalisch 1995)
ゴキブリの種類: チャバネゴキブリ
設置日: 9月10日
取外し日: 9月11日
トラップ設置時間: 一夜
| トラップ 番号 |
設置場所 | 捕獲された ゴキブリの総数 |
|---|---|---|
| 1 | 冷蔵庫の傍、ゴミ箱の傍の裏壁に対して設置 | 20 |
| 2 | パントリーの棚、裏壁に対して設置 | 21 |
| 3 | 上の食器棚 (皿洗い機の上)、裏壁に対して設置 | 12 |
| 4 | 皿洗い機の前面に設置 | 6 |
| 5 | 下の食器棚、皿洗い機の隣の側壁に対して設置 | 9 |
| 6 | シンクの下、パイプの下の中心にある裏壁に対して設置 | 35 |
| 7 | レンジの傍の側壁に対して設置 | 6 |
| 8 | レンジの下、裏の壁に対して設置 | 26 |
| 9 | ヒーターの侵入部の近くの壁に対して設置 | 4 |
| 10 | 浴室のシンクの下、管の下の中心の裏壁に対して設置 | 7 |
| 11 | トイレの裏、水管の侵入部の近くの壁に対して設置 | 2 |
| 12 | 浴室のシャワーの近くの壁に対して設置 | 0 |
| 13 | 地下室の温水ヒーターの下に設置 | 0* |
| 14 | 地下室の床ドレインの近くの壁に対して設置 | 0 |
総数: 148
一夜におけるトラップ1個あたりのゴキブリの総数: 10.6
注:
* トラップ #13 にはクモが捕獲されていた。
| Pesticide Education Resources @ University of Nebraska-Lincoln | |