主な駆除対策ゴキブリの繁殖は、突然降ってわいたように起きるものではありません。 ある種のゴキブリ(トウヨウゴキブリ、ワモンゴキブリ)は、自力で外部から建物に入ってくるようです。 一方、チャバネゴキブリやチャオビゴキブリは、ほぼいつも人間の活動とともに構造 物に持ちこまれるようです。ゴキブリが新しい建物に入った場合、どのようなことが起こるのでしょうか。 この議論のため、ゴキブリの観点から状況を見てみましょう。ここで一匹のゴキブリを ロンダと呼んでみます。
卵が入った卵鞘を持っている一匹のメスのチャバネゴキブリ、ロンダはこの2週間 スーパーマーケットの農産物部門で生活していました。ある夜、彼女はポテトの5ポンド袋に入り込 みました。このポテトの袋を土曜日の婦人会の持ち寄り昼食会でジャーマンポテトサラダを作るためにポテトを 購入したポーター夫人が今朝注意深く選びました。 ポーター夫人は、車の後部座席に袋を乗せて家に戻り、袋を家の中に運び入れ、台所の床の上に 置きました。 ロンダは、ポテトの袋の中で快適に感じておらず、辺りが静まった後に隠れ場所を探し始めました。 ポーター夫人は、台所をきれいにしていたので、ロンダはよい隠れ場所を見つけることができ ません。最終的に、彼女は洗濯用洗剤の箱の後ろに隠れました。今夜、彼女は生活するための 最終的な場所を見つけなければいけません。もしよい場所が見つかれば、餌や水を探しに行く前 に集合フェロモンで新しい場所をマークしなければいけません。 マーキングにより、この場所に再び戻ることができるようになります。
もし、ロンダが適切な隠れ場所を見つけることができなければ、彼女は仮の場所を探すため 移動し続けます。彼女はストレスを受けながら、不適切である場所に 卵鞘を産みつけなければならないかもしれません。30匹以上のこどものうち、 わずかしか生存することができず、増殖は開始しません。もし、ロンダが餌や水を見つけることが できなければ、彼女も数週間で死んでしまう運命にあります。
この教訓として、次のようなことが言えます。一軒家であろうと、アパートの キッチン、浴室、地下室あるいは飲食店のキッチンであっても、あらゆる 住環境には、ある程度の数のゴキブリを受け入れる能力があります。これは、 その場所でのゴキブリ数を規定する 保持能力と呼ばれています。殺虫剤を使用するなどのゴキブリ数を減らす 対策にかかわらず、生物学的な力によりゴキブリの数をそのレベルに 維持することができます。もし、殺虫剤の使用でいくらかの数のゴキブリが死亡すると、 それらの個体を補い、ゴキブリの数を保持能力近くまで維持するために繁殖率が 増加します。
したがって、効率的な駆除のかぎは、ゴキブリが必要とする生活資源を取り除く ことにより、環境の保持能力を下げることにあります。それらの要因は、水、餌、隠れ処など です。
他の動物と同じように、ゴキブリは生存、繁殖するためにこれらの資源が 必要です。ただし、水や餌の量はほんのわずかでもよいのです。生存環境中にこれらの資源 があるかどうかで繁殖、すなわち潜在的な繁殖レベルが達成できるかどうかが決まります。 これらを個別に検討してみましょう。
水 : ゴキブリの体表はワックスで覆われており、これが水分ロスを減らしています。 水はゴキブリが生存のために必要となります。ゴキブリが生存するには、毎日1滴の水で十分です。水あるいは水分のいずれでもよいのです。ゴキブリは、配管上にできた凝縮水、わずかな 水の漏れ、湿ったスポンジ、湿った木材からでも水を補給することができます。 また、湿った餌からでも必要な水分量を容易に補給することができます。
餌 : ゴキブリは、食べくず、毛髪、切られた爪、油汚れ、汚れた衣類、 ペットの毛、死んだ昆虫(ゴキブリの死骸でも)などほぼ何でも食べます。 ゴキブリは、餌が少なくなると幼虫や卵鞘でさえも共食いすることがあります。たんぱく質が豊富で あったり、かなりの水分量がある餌は、ゴキブリの大好物となります。もし、皿に入れたペットフード を一昼夜放置しておくと、ゴキブリに餌を与えているのと同じことです。しかも上等な餌をです。
棲息場所 : 亀裂や隙間は、昼間ゴキブリが生活する場所となります。ゴキブリは、金属表面よりも木や紙を好 むようです。ゴキブリは平べったい体をしているので、上下が接触できるくらいの場所にでももぐりこ むことができます。1.5 ミリ以上あればよく、ゴキブリは他の場所よりもここを好みます。 自動皿洗い機や冷蔵庫のモーターの近くの高温部分、特に冷蔵庫の下のドリップパンは水が溜 まることもあり好まれます。
隙間に隠れたゴキブリ
清潔さについて考える場合、われわれは通常掃除を連想します。しかしながら、ゴキブリ駆除では 水、餌、隠れ処を制限することも考慮しなければいけません。 水は、ゴキブリにとって非常に重要であるので、水を減らすことに集中してください。
配管: まず、家の中の流しをチェックしてみてください。蛇口から水が漏れていませんか。 もしそうであれば、早速修理してください。蛇口の底部を点検し、水を流してください。 蛇口の底部から水が漏れていませんか。もしそうであればパッキングを交換してください。 蛇口の口を調べ、スクリーンがあるかどうかチェックしてください。もしなければ設置してください。 スクリーンは、水が定常的に流れるようにするものですが、これで 喉の乾いたゴキブリが蛇口に入って水を飲むことができなくなります。
水が流れていなくても、シンクの下の配管から水が漏れていないかどうかを確認してください。 どんな小さな漏れでも修理しなければなりません。 配管の接合部に白い跡が残っていないかどうかを注意深く確認することも必要です。 この白い痕跡は、水が徐々に漏れている証拠なのです。 痕跡をきれいにして、接合部を締めつけ、1−2週間に亘って漏れがシールされているかどうか を毎日チェックしてください。
冷水の流れる管は、特に夏の湿度が高い日には凝縮水がつく場合があります。 汗をかいた配管上の水分でもゴキブリにとっては十分です。 配管を断熱することでこの問題は解決できます。水分を吸収する断熱材は水を吸うとカビが生え、 ゴキブリを寄せつけるので、水分を吸収しない断熱材を使用してください。 断熱材をしっかりシールしてください。断熱材と配管の間にゴキブリが隠れることのできる場所を作 らないようにしてください。
すべての排水口を目の細かいスクリーンで覆ってください。ゴキブリは通常、排水口から構造物に 入りませんが、水を求めて容易に排水口に入ります。たいていのキッチンのシンクのストレーナーは、 ゴキブリが排水口を下りるのを止めることはできません。スリット状ではなく、小型の丸い孔のあるストレーナーを使 ってください。 浴室のシンクやバスタブの排水孔も清潔に保ち、時々洗ってください。
他の水供給源 湿ったスポンジや布巾を一夜置く前に、アンモニア水で洗います。 これでゴキブリが水分補給源とすることができなくなります。スポンジを Ziploc 袋に 一夜入れるのも奨められます。
植木鉢のトレーをチェックし、トレーの中に水がたまっていないことを確認してください。 植木鉢の中の土の上に砂利を敷き、湿った土壌を覆ってください。
石油樹脂や鉱油を混合し、ボールの内部リムやトイレのタンクの回りにつけると ゴキブリが水の補給源として使うことができなくなります。この混合物は、毎週つけてください。
使用後、ただちに皿、調理器具を掃除し、乾燥してください。水を入れたままでシンクの中に 皿を残さないようにしてください。
ペットの飲水皿を毎晩取り除き、毎朝交換してください。
もし部屋の湿度が非常に高ければ、湿度を下げるため除湿器を購入することを検討してみてください。 タンクを頻繁に空にし、ゴキブリが水の補給源としないようにしてください。
少なくとも1ヶ月に1回、冷蔵庫の下のドリップパンをチェックしてください。 交換する前にドリップパンを掃除し、乾燥してください。
貯蔵食料: ゴキブリは、何でも食べます。食料はすべて、密閉した容器に入れて 貯蔵してください。食品の包装を開けた場合、再度シールすることを忘れないでください。 もし密閉できなければ、食品を密閉できる容器に入れてください。 ゴキブリは、紙、ダンボール、薄いプラスチック容器を噛みくだくことができるので、これらの 材質で包装した食品は、保管する前にゴキブリを防ぐ容器に移しかえてください。食品は裸のまま 夜間放置しないでください。キャンディー、ポップコーン、果物、ペットフードは、夜間は 容器に入れて保管してください。ゴキブリから食品を完全に遮断するのは難しいものの、食品を制限する ことにより他の駆除法で効果を発揮することが容易となります。
廃棄食品の管理: 食品は、ゴキブリにとって重要な資源となるものの、ゴキブリは廃棄食品(厨芥)も容易に食べ尽くします。 流しについている生ごみ粉砕機は、家庭内のごみを減らすのに役立ちます。ただし、毎日、あるいはごみが 出る度に使うことが必要であり、洗剤で洗い流さなければなりません。
もし生ごみの粉砕機がない場合、厨芥を戸外に出し、夕方前に容器を密閉してください。 もし、これができなければ廃棄する食料を密閉蓋のついたガラス容器のようなゴキブリが入らない容器に 移してください。
カウンター、食卓、床のような調理あるいは食事をする材質表面は、使用後洗剤できれいにしてください。 皿、ボウル、ナイフ・フォーク類、コップはすぐに洗ってください。 すぐに洗うことができなければ、洗剤を入れた水の中につけ置いてください。
油は、きれいにすることが難しいので特別な問題となります。 ゴキブリは、オーブンのフードやフライパンを使用した場所の近くの壁に付着した油を食べます。
カーペットや家具の上のこぼれを掃除してください。 こぼした食べ物は、跡を残こし、これがゴキブリを引き寄せます。 スポンジ、洗浄パッド、ブラシは使用後きれいにしてください。 汚れた衣服類は、密閉したプラスチック袋や密閉したフィッテ ィングハンパー(換気孔のないもの)のようにゴキブリが容易に近づけない場所に保管してください。
初期の掃除効果 われわれは、理由が見つかるまでは、(オーブン、レンジや冷蔵庫の裏などを) しっかりと掃除することはしない傾向にあります。 もしゴキブリがいれば、しっかりと掃除する意欲が出てくるものです。 事実、掃除が難しい場所はゴキブリが繁殖する可能性が高くなります。 駆除を始める前に、次のような掃除を実施してください。
冷蔵庫、レンジ、冷凍庫を引き出し、その後ろや横を掃除してください。 機器の外部を水で拭き、モーター回りの埃のある部分を掃除機をかけてください。 床を水拭きしてください。バーナーの下を掃除し、持ち上げてレンジ上面の下を掃除してください。 ガスレンジは、レンジやボイラーの内部、外部の掃除を忘れないでください。 油を取り除くことが必要です(ゴキブリは、油が大好物です)。
ちらかった物を取り除く。 ゴキブリは、狭くて、小さな場所を好みます。これらの場所は、ゴキブリが安心し、休息し、 交尾し、繁殖する場所です。ほとんどのゴキブリは、1.5 ミリのスペースで 十分であり、小さい亀裂や隙間は適切な棲息場所となります。またゴキブリは、木、紙、 ダンボール、断熱材、布のような柔らかく、多孔性の表面との接触を好みます。 ステンレススチール、アルミ、プラスチックラミネート、セラミックタイル、あるいは焼成エナメル表面は 余り好まれません。 もし環境を変えるのであれば、ゴキブリが嫌いな材質を使用してください。柔らかい材質が 多層になっている場合(コルゲートダンボールなど)、ゴキブリの生育場所となります。 ゴキブリがいる場所に紙袋、サック、ダンボール箱、布切れ、あるいは木片を残さないようにしてください。 最も大きな失敗の1つは、紙袋を冷蔵庫の隣に置くことです。暖かい場所の隣にレイヤー 効果が生じ、湿度が高くなります。紙袋を置くことは、ゴキブリにすばらしい繁殖場所を 提供することになります。
キッチン、浴室、洗濯室、地下室、保管クローゼットなどの、特にゴキブリがトラップに かかる場所の近くをすべて点検してください。クラッターを取り除いてください。ゴキブリが繁殖できるような 物をゴキブリが入らない容器やプラスチック袋に入れて密封してください。
シールする : ちらかった物を取り除いた後、部屋のすべてを探索し、1.5 ミリよりも大きな亀裂、シーム、割れ目 を探してください。キャビネットや家具を見落とさないようにしてください。これらの場所を、ゴキブリが隠れる場所とならないように シールしてください。よく見落とされる場所は、モールディングの後ろ、 キャビネットの扉の小さな孔、ゴムガスケットの回り、配水管回り、食卓の中空の脚、キャビネットと 壁が合わさるところや備え付け家庭電化製品のまわりなどです。
コーキングは、ゴキブリが隠れる場所をシールする簡単で経済的な方法です。 3種類のコーキング法があります。
亀裂をコーキングする前に、シールするスペースの隅に掃除が行き届いており、乾燥して いることを確認してください。密なシールができるようにコーキングはスムースなものでなければ なりません。スペース幅を充填し、6ミリの深さになるように十分な量のコーキング材を使ってください。 持続性をもたせるには、十分な量のコーキング材を使用する必要があります。 シリコーンコーキングの欠点は、他のコーキング材と比べて塗装がうまくゆかないことです。 1.3 センチよりも大きなスペースでは、発泡性の充填材を使用することを検討し、フォームの上を 充填してください。もし家庭内にある亀裂やシームをすべてコーキングすることが重荷であれば、 ゴキブリが繁殖する場所を見つけるため調査用の粘着トラップを使用し、これらの場所に コーキングやシーリングを集中してください。
もしゴキブリが亀裂やシームに繁殖していると思ったら、コーキングする前に洗剤と乾燥剤を使ってください(第6章参照)。 粉剤は、何もない空間に使用できますが、使用する前にこの教本の第7−9章を読んでおいてください。 この場所を完全にシールすれば、ゴキブリはもはや隠れ場所として使用することはできません。
グレードの高いシリコーンシーラントであっても定期的にチェックし、きれいにしておかなければ なりません。 もしシーラントの端が剥がれ落ちはじめるようであれば、ナイフでコーキング部をきれいにし、コーキング 部分を取り除いてください。サンドペーパーのような研磨剤でこの部分をきれいに、平らにし、再びコーキング を施してください。
台所には、水や餌の供給源、隠れ場所としてしばしば見落とされる重要な場所があります。 これらの場所を無視すると、駆除法の有効性が失われることになります。
冷蔵庫:
自動皿洗い機:
オーブンレンジ:
電気回り:
金属製のキャビネット: ゴキブリは金属を好まないものの、金属製のキャビネットには構造上ゴキブリが扉の 内部に侵入できる程度の小さな開口部があります。このためキャビネットを注意を払って 点検する必要があります。扉の底部や上部にある蝶番、ラッチ部、シーム、孔を塞いで ください。
小型器具:
ゴキブリは、小さな孔や亀裂から小型器具の中に入ることができ、モーター の回りに住み着くことができます。器具を離してみたり、死滅させるために 第6章に述べられている冷温処理を検討してみてください。
| Pesticide Education Resources @ University of Nebraska-Lincoln | |